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6.「新販頼朝籏揚高名双六」 歌川芳虎 江戸後期
源頼朝の出世双六です。ふりだしは伊豆蛭ケ小島で文覚から挙兵を勧められる場面。石橋山から安房渡航、再起から平家滅亡の戦いを経て鎌倉繫栄と、頼朝の人生の重要な場面がコマ絵となっています。サイコロを振って出た目の数でどのマスへ行くかが決まります。上りは富士牧狩です。江戸後期、頼朝の一代記の人気さがうかがえるおもしろい作品です。ちなみに上段左コマ絵は義経で、平泉から蝦夷島へ渡って生き延びたという説が取り上げられています。
「頼朝起つ 鎌倉殿と坂東武者たち」展は、7月10日(日曜日)まで開催中。この作品を含め、頼朝と坂東武者たちの軌跡を描いた多くの浮世絵版画を紹介しています。