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1.「麻疹退治」 歌川芳藤 文久2年(1862)
文久2年、江戸で麻疹(はしか)が大流行し、麻疹から身を守るため、または風刺した「麻疹絵」と呼ばれる浮世絵が多く出版されました。感染力が強く、赤い発疹ができ、高熱が出て、致死率も高かった麻疹には、俗説で良いもの、悪いものが信じられ、広まりました。この図は悪いと言われた酒、遊女、風呂などが擬人化され、麻疹神をこらしめている図。中央で「まあまあ」と止めているのは、麻疹流行でもうけた薬屋です。現在のコロナ禍の風刺にも見えてしまいますね。
この作品は菱川師宣記念館で現在展示中です。(令和3年7月25日まで)