菱川師宣の活躍した元禄時代は江戸時代中、最も華々しい庶民文化が花開きました。
その芸術性の高い作品を展示しています。

秋草美人図 菱川師宣
元禄頃(1688~1694)
肉筆 絹本著色 22cm×32cm
遊郭の一室でしょうか、萩の描かれた屏風を背に、しどけなく横たわり読書をする二人の遊女と禿(かむろ)を描いています。
秋の代名詞である萩の屏風や禿の扇から晩夏から初秋に頃を描いたもの。こうした遊女の風俗画は師宣が最も得意としたものでした。三人の大柄模様の極彩色の着物が際立ち、小品ながら師宣の特徴のよく表れた作品です。