本文
「浮世絵に観る名月 ~鎌田コレクション~」
【期間】 平成27年9月19日(土曜日)~10月18日(日曜日)
【休館日】 月曜(祝日の場合は開館。 9月24日(木曜日)28(月曜日)10月5日(月曜日)13(火曜日)が休館)
日本人は古くから月を愛でてきました。神秘的な満ち欠け、闇夜をやさしく、時に妖しく照らし、様々な表情を見せる月に、日本人の感性は揺り動かされるのでしょう。十五夜、十六夜、朧月、有明月など、これほど多くの月の別称を持つ民俗はありません。
日本の叙情的な風景を細やかに描き、風景画家として名をはせた歌川広重。実は彼こそ、最も多く月のある風景を描いた浮世絵師と言われます。様々なシュチュエーションで、これほど日本人の心に響く月の情景を描いた絵師は他にはいないでしょう。浮世絵版画は、江戸末期には多才な歌川派の絵師たちの活躍により、多くの名作が世に送り出されました。中でも日本の四季や風景を詩情豊かに描き人気を博した広重。役者・美人画・源氏絵などで粋な男女を江戸好みに描き出した三代豊国が双璧であり、二人の合作浮世絵版画も企画されました。
この展覧会は、秋の企画展として、館山市の個人浮世絵美術館 鎌田コレクションの中から、浮世絵版画に描かれた「月」をテーマに、広重、三代豊国、二代国貞らの名作をはじめ、明治期の月岡芳年の名作「月百姿」シリーズなどを一堂に会し、名月のある風景、日本人と月との関わり、浮世絵版画に散りばめられた日本の四季の風情と魅力を紹介する展覧会です。この秋、美術館でお月見はいかがですか。