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11.「東京開化狂画名所 品川妓楼 客人のとまどひ・芝高輪 そばやの粗相」 月岡芳年 明治14年(1881)
明治のユーモアあふれる人々を東京の新名所とともに描いた芳年の戯画シリーズで、一枚に二図の二丁掛の体裁です。明治の人気浮世絵師、月岡芳年による明治の人たちのこっけいさが表れた作品です。
上図は「品川妓楼 客人のとまどひ」。いつの時代でもあわて者はいるもので。品川遊郭ではめをはずし、酔っぱらったのか、勢い余って飛び込んだ遊客。あっ、部屋を間違えた。
下図は「芝高輪 そばやの粗相(そそう)」。高輪の大木戸あたり。蕎麦屋の出前持ちが暗がりでご婦人と衝突。蕎麦をぶちまけた。そばで見ていた警官、あぁやっちゃった、という顔。