○鋸南町宅地開発事業等指導要綱
平成元年11月21日鋸南町告示第30号
鋸南町宅地開発事業等指導要綱
(目的)
第1条 この要綱は、鋸南町における宅地開発事業等の無秩序な行為を防止し、中高層建築物の被害を防止するとともに、公共施設の整備促進と環境保全を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この要綱において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 宅地開発事業 主として建築物の建築の用に供する目的で1団地の土地について行う土地の区画形質の変更に関する事業をいう。
(2) ゴルフ場等の開発事業 主としてゴルフ場、社会体育施設、遊園地その他の運動レジャー施設である工作物及び墓園の建設の用に供する目的で1団の土地について行う土地の区画形質の変更に関する事業をいう。
(3) 建築事業 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条に定める建築物の建築に関する事業をいう。
(4) 宅地開発事業等 宅地開発事業、ゴルフ場等の開発事業及び建築事業をいう。
(5) 開発区域 宅地開発事業等を施工する土地の区域をいう。
(6) 事業主 宅地開発事業等に係る工事(以下「工事」という。)の請負契約の注文者又は、請負契約によらないで自ら工事をする者をいう。
(7) 工事施工者 工事の請負人又は請負によらないで自ら工事をする者をいう。
(適用範囲)
第3条 宅地開発事業、ゴルフ場等の開発事業若しくは建築事業で次の各号に該当するもの。
(1) 宅地の開発に係る範囲は次のとおりとする。
ア この要綱の適用を受ける事業は、0.1ヘクタール以上の宅地開発事業等とする。なお、同一事業主が連続して行う場合は、その全計画面積を対象にする。
イ ア以外の事業についても、町が必要と認めたときはこの要綱を適用する。
ウ 複数の事業主が行う事業については、宅地造成地の連続する状況、工事施行の日等から、それらが共同事業と認められる場合は全面積を対象とする。
(2) 建築事業で、地上13メートル以上又は、地上4階以上(塔屋を含む。)及び10戸以上の集合住宅について適用する。
(事前協議)
第4条 事業主は、土地買収前(自己の土地の宅地開発事業等の場合は、計画の時)にあらかじめ町長に対し事業計画の内容及び工事施行方法等を明示して協議する。また、事業計画を変更しようとするときも同様とする。
2 協議が成立したものについては、必要に応じて協定書を締結するものとする。
(審議)
第5条 この要綱の適用を受ける事業は、庁内宅地開発等協議会(以下「協議会」という。)において審議するものとする。
(同意及び被害補償)
第6条 事業主は、事業により施行区域周辺に、影響を及ぼすおそれのあるものについては、事前に周辺住民の承諾を得るものとする。ただし、排水計画にあっては、その放流先が水路、河川、海岸であるときは、それぞれの管理者はもとより、関係住民、利害関係を有する農・漁業団体等の同意を得るものとする。
2 事業主は、その工事又は施設に起因して生じた損害については、その補償の責を負うものとする。
3 前項の規定の履行に当たって、必要に応じて当事者間において協定を締結するものとする。
(開発の基準)
第7条 宅地開発事業等が0.3ヘクタール以上の区域にわたるときは、事業主はこの要綱によるほか千葉県宅地開発事業の基準に関する条例(昭和44年千葉県条例第50号)の定めるところによる。
2 10ヘクタール以上の開発区域に係る宅地開発事業等の開発行為(以下「大規模宅地開発事業」という。)を行おうとする者は、事業主はあらかじめ協議会の審議を経たのち、更に知事に協議し、その同意を得なければならない。
3 事業主が、宅地開発事業、中高層建築事業を行う場合は、鋸南町の土地利用計画並びに各行政計画に適合していなければならない。
4 宅地開発事業等を行う業者は、鋸南町行政計画に協力しなければならない。
5 上水道・簡易水道等でその水源に関係ある地域の開発は認めない。
6 前項の事業の実施に当たっては、開発区域内の公共施設の整備はもとより、その整備の必要性が開発区域外に及ぶ場合、その整備費は事業主が負担するとともに、開発区域内及び周辺住民に著しく迷惑を及ぼしてはならない。
(施設の基準)
第8条 各施設等の基準は次の各号によるもの。
(1) 道路
ア 幅員
道路幅員は6メートル(その周辺の状況により通行上支障がない場合は、4メートル)以上とする。
幹線道路の幅員は次のとおりとする。
① 5ヘクタール以上10ヘクタール未満の開発区域にあっては9メートル以上
② 10ヘクタール以上の開発区域にあっては12メートル以上
イ 主要な道路は、開発区域外の幅員6メートル以上の道路(開発区域の周辺道路の状況によりやむを得ないと認められるときは、車両の通行に支障がない道路)に接続していなければならない。
ウ 幅員9メートル以上の道路は、縁石線又は柵、その他これに類する工作物により、歩車道が分離されていなければならない。
エ 構造
舗装については全面施工とする。ただし、勾配が6パーセントを超える区間については滑り止め等の処理をするほか、雨水等を有効に排出するために必要なU字溝、L字溝又はコンクリート側溝を設け、流水施設に接続させなければならない。
オ 勾配
縦断勾配は、9パーセント以下とし、周囲の地形などによりやむを得ないと認められる小区間に限って12パーセント以下とすることができる。
横断勾配は、おおむね2パーセントとする。
カ 防護施設
道路が屈曲し、その他交通上危険のある箇所には、防護柵等適当な防護施設を設けなければならない。
キ 行き止まり道路
原則として、将来接続する計画がある場合以外は認めないものとする。
ク その他
道路はすべて事業主の負担にて整備し、良好な状態に維持管理すること。また、必要に応じて町に無償譲渡するものとする。ただし、舗装基準及びその時期等については町と別に協議の上定める。
ケ この整備基準以外は県条例による。
(2) 建築
ア 住宅用地の1区画の面積は、165㎡以上を基準とし、100㎡以下にならないこと。
イ 建物の建築に当たっては、建ぺい率を70%、容積率400%以下とし、形状、高低、日照、通風などを考慮し、良好な環境の保全に努めること。
ウ 傾斜地に建築する場合は、特に基礎を堅固にするとともに、十分なる防護処置を講ずること。
エ 建築物の外部の色彩、門、塀、その他遮蔽物は周囲の自然と調和の取れたものとし、原則として個人分譲地における建物は2階以下とする。
オ 事業主は、原則として3階以上の建物を建築しようとするときは、確認申請書を提出する10日前に、縦・横90センチメートル以上の板に建築物の概要を記した図面等を建築場所に掲示し、付近住民に周知させなければならない。
カ 建築物の地上高は、住宅密集地内では13メートル以下を原則とする。ただし、既存の建物が13メートルを超える場合は、当該高さを限度とし、その他の地域については、付近との調和を考慮して町と協議するものとする。
(3) 上水道計画
ア 町営水道の給水を要する宅地等開発事業を行う事業主は、原則として鋸南町水道事業計画に適合していなければならず、事前に建設水道課と協議するものとする。
イ 水道施設は全て事業主の負担にて施工し、町が必要と認める施設については無償で提供するものとする。
(4) 排水施設
ア 開発区域内外の集水面積を勘案し、計画については町と協議をするものとする。
イ 開発区域内排水路の周辺既設排水路、河川等への放流は、放流先の水路、河川等の流下能力に支障を及ぼさぬよう、調整施設を設置するか、関係水路、河川等の管理者と協議の上、事業主の負担で改修するものとする。
ウ 事業主は、開発区域内の汚水の放流に起因して農作物、水産、動植物に被害を与えるおそれのあるときは、事業主の負担で必要な措置を講ずると共に、これによって生ずる第三者との紛争は全て事業主の責任において解決しなければならない。
エ し尿処理方式は、原則として水洗浄化方式とし、雑排水とを合併処理するため一次、二次、三次終末処理施設を設置しなければならない。
オ 開発区域の面積が、3ヘクタールを超える事業を行う場合は、汚水、生活雑排水処理のため、事業主の負担で終末処理施設を設置し、かつ維持管理しなければならない。
(5) 排水基準
ア 水産資源並びに動植物保護の立場から、国においても、環境基本法(平成5年法律第91号)第16条の規定に基づく水質汚濁に係る環境基準が定められているが、特に水産業を水質汚濁から守るため直接関係のある浅海増殖の立場からこの要綱上、該当のあるものは少なくとも、海域では水産一級程度の水質でなければならない。また、公共用水域に排出される水については、次の排水基準を遵守しなければならない。
イ 鋸南町の排水基準(公共用水域)
① P.H(水素イオン濃度) 5.8以上8.6以下
② S.S(浮遊物質量) 20mg/ι以下
③ B.O.D(生物化学的酸素要求量) 10mg/ι以下
④ C.O.D(化学的酸素要求量) 10mg/ι以下
⑤ 大腸菌群数 3,000個/1m3以下
⑥ N.ヘキサン抽出物質 2~3mg/ι以下
(消防水利)
第9条 事業区域内に消防法に基づいた消防基準に従って町と協議の上、必要な貯水槽及び消火栓を事業主の負担で設置するものとする。
2 開発計画が1.5ヘクタールを超えるときは、1.5ヘクタール毎に貯水槽又はそれに替わるべき施設を開発区域内に必ず1箇所設置しなければならない。
3 貯水槽の容量、構造並びに位置については町と協議して定めるものとする。
(環境保全)
第10条 開発計画に当たっては、既存の樹木を可能な限り保存し、自然環境の保全に努めなければならない。
2 0.5ヘクタール以上の開発区域にあっては、当該開発区域内に、面積の合計が当該開発区域の面積の3パーセント以上の面積の公園、緑地又は広場(以下「公園等」という。)を設けなければならない。ただし、開発区域の周辺に相当規模の公園等が存する場合、開発区域内に予定される建築物(以下「予定建築物」という。)の用途が住宅地以外のものであり、かつ、その敷地が一つである場合等開発区域の周辺の状況並びに予定建築物の用途及び敷地の配置を勘案して特に必要がないと認められる場合は、この限りでない。
3 公園等の位置は、災害防止及び避難活動に適するよう配置し、事業主が維持管理するものとし、必要に応じて町に無償譲渡するものとする。
4 公園等は、周囲に柵又はフェンスを設置し、その他利用者の安全確保をする措置を講じなければならない。
5 建築事業を行う場合は、日照、その他生活環境の変化に伴う影響について町と協議するとともに、建設予定地内に事業主名、規模、種類等を立看板で明示して、事前に住民に計画を示すとともに、付近住民の同意を得るものとする。
6 前項の場合、付近住民の受けるテレビジョン等電波障害の排除に必要な施設を事業主の負担で設置するとともに、維持管理について必要な事項を関係者と取り決めるものとする。
7 自然美観保護のため、自然公園区域内の開発については、関係法・条例・規則等による。
第11条 防災施設は、工事の施工に先行して行うものとする。
2 切土、盛土により生じた緑地等の崖面は擁壁で覆わなければならないものとし、構造、方法等については、町と協議して施工するものとする。
3 工事施工中に事故が発生した場合は、事故の規模及び事故処理について直ちに町へ報告するものとする。
4 防犯灯は、開発区域内に事業主の負担により設置し、維持管理については事業主が行うものとする。ただし、設置場所については町と協議する。
5 前項に基づく防犯灯は、居住人口の増加をまって、末端行政組織と協議の上、管理の移管ができるものとする。
(公害防止)
第12条 事業主は、施設又は工事施工に当たり、騒音、振動、悪臭、水質汚濁等の公害が発生し、若しくは発生のおそれがある場合は、その原因の除去について速やかに処理し、公害が発生したときは、直ちに町へ報告するとともに、町と協議の上適切な処置を講ずるものとする。
(農業関係)
第13条 事業主は、農地、山地等については、関係法令を遵守した開発によって周辺に影響を及ぼさない対策を講じるとともに、潅漑用水源等が枯渇し、又は汚染されることがないように努めなければならない。
2 前項により農業経営に支障が生じた場合は、必要な施設を事業主の負担で設置しなければならない。
3 事業主は、軟弱地盤地帯を開発する場合は、土質調査を行い、その資料に基づき軟弱地盤等の解析を行い、その対策を講ずると共に処理後の地盤の動態観測も実施しなければならない。
4 地盤沈下等により家屋、その他に損傷を及ぼした場合、事業主は速やかに町に報告するとともに、補償等の事故処理を行うものとする。
(教育施設)
第14条 開発区域内に小・中学校の設置が必要となった場合は、町と事前に協議し、その指示に従わなければならない。
2 幼稚園、保育所を開発区域内に必要があると認めたときは、その用地・建物を事業主が負担し、事業完了後町が必要と認めたときは、無償譲渡するものとする。
(文化財保護)
第15条 事業主は、開発区域内の埋蔵文化財の所在の有無及びその取扱いについて事前に鋸南町教育委員会に照会しなければならない。
2 事業主は、開発区域内に文化財がある場合また工事中に文化財を発見した場合は、当該文化財の発掘、保存等について鋸南町教育委員会と協議しなければならない。
(禁猟区)
第16条 開発区域内は、禁猟区とする。
(その他)
第17条 ごみの処理については、事前に町と協議してその指示に従うものとする。
2 宅地開発事業等の実施に当たり、入居者等の自動車保有率を想定し、駐車場の用地を確保するものとする。
3 事業主の施工する公共施設等については、本要綱に特別の定めのあるもののほか、施設等の構造等を事前に町と協議し、完成後町が必要と認めたときは、無償譲渡するものとする。
4 事業主の施工した施設等を町へ寄付するときは、町長の検査を受け、不備な箇所を整備するものとする。ただし、町への寄付が完了するまでの間は、事業主が維持管理を行うものとする。
5 宅地開発事業等に伴い生ずる問題で、この要綱に該当しないものについては、別に町と協議するものとする。
7 開発負担金については、別途定める。
附 則
(施行期日)
1 この要綱は、平成元年11月21日から施行する。
(鋸南町宅地開発指導要綱の廃止)
2 鋸南町宅地開発指導要綱は廃止する。
(経過措置)
3 この要綱の施行の際、既に交付された宅地開発事業確認通知書については、改正後の鋸南町宅地開発事業等指導要綱の規定に基づき交付されたものとみなす。
4 この要綱の施行の際、改正前の鋸南町宅地開発指導要綱の規定に基づき協議中のものについては、なお従前の例による。
附 則(平成19年10月15日鋸南町告示第70号)
この告示は、公示の日から施行する。
附 則(平成29年5月23日鋸南町告示第21号)
この告示は、公布の日から施行する。
様式第1号(第17条第6項関係)
様式第2号(第17条第6項関係)
様式第3号(第17条第6項関係)
様式第4号(第17条第6項関係)
様式第5号(第17条第6項関係)
様式第6号(第17条第6項関係)