本文
2.「郵便報知新聞 第589号 生き返った酔っ払い」 月岡芳年 明治8年(1875)
明治の新聞から全国各地の珍事件をピックアップして発行し大流行した錦絵新聞から1枚を紹介。
讃岐国象頭山近くに住むグデン徳という酒好きは、賭けで二升の焼酎を飲んで卒倒し死亡。ところが埋葬後に生き返って墓からはい出し、あまりの寒さに境内で焚火を囲んでいた博打うちの前へ。博徒は「出たーっ」と一目散に逃げ去り、残されたお金はグデン徳のものになったとか。すっとぼけたグデン徳と驚く博徒のポーズが対照的で、何ともユーモラス。錦絵新聞はこのような明治の珍事件が満載です。